事業計画書を作成するにあたって、自社の現状を把握するところから始めましょう。自社の強みや弱みを知らずに、事業計画書を作成することはできません。そこで自社の強みと弱みという視点で見てみることにします。SWOT分析とも言われますが、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)と内部環境と外部環境に分けて、それらをリンクさせて考える方法です。実例としては次のようなものが上げられます。
外部環境 | |||
(機会)
情報化社会 規制緩和 低金利 共稼ぎ世帯の増加 |
(脅威)
競合の出現 景気後退 設備投資の低迷
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内部環境 | (強み)
ソフト開発スピード 商品企画力の高さ 企画力 品質管理 |
規制緩和を見越した新商品の開発
広報部を強化して自社で宣伝媒体を持つ セキュリティシステムの改善 |
競合他社との差別化を加速
販促の強化 技術営業パースンの育成 |
(弱み)
資金調達 顧客接点の少なさ 営業リソース不足 |
顧客満足度調査を通常業務に組み込む
技術開発者の人材育成 |
成長力の高い新興国への進出
助成金、お得な融資制度の活用 |
SWOTのそれぞれを把握して、戦略に落とし込めるかがポイントです。というのはSWOTを上げるだけで終わりになっている分析はよくあるからです。そうはいってもまず自社の経営環境の把握が重要と言えますので、SWOTをなるべく挙げてみましょう。問題点が見つからなければ、戦略も立てられません。ここはもう一つ、美容室についてのSWOTも見てみることにします。
強み | 美容業に特化した専門知識と経験
ネット集客の知識と経験 手ごろな価格でのサービス 手厚いアフターフォロー |
弱み | 知名度やブランド力が低い
店舗数の少なさによる規模の経済がない 足を使った営業力 |
機会 | 美容室は年々増加傾向にある。
男性の美容意識の向上 |
脅威 | 少子化による若手美容師の減少
大手の地域参入もしくは多角化による隣接産業への参画 クライド型アプリの活用による美容室の業務の簡素化 |
ヒントとしては、経営力を①経営管理力、②財務力、③組織力、④生産・販売力、⑤技術力、⑥企画力の6つの要素に分解すると内部環境の強みや弱みが見つけやすいとおもわれます。