困ったときの海外戦略と言われた時期がありました。特に上場企業で国内マーケットが飽和してしまうと、海外に打って出るしかなくなります。近年では、既に日本が縮小マーケットの流れができてしまっているので、元から海外志向の方が良いのかもしれません。
つい最近までは中国に進出するのが儲けの最大のポイントだった時代があります。しかし今となっては、アメリカと覇権争いをしていますし、どこまで共和党政権が中国へのケンカ腰を続けるかどうかもわかりません。何かというと反日感情が生まれやすい国ですから、個人で見ればいい人たちも多いのですが、何ともビジネス上は付き合いづらいところも少なくありません。
経済的に考えれば、親日国の多い東南アジアやインド、アフリカ当たりに進出した方が、大きな成長に乗って資産を拡大させることができると思われます。ですので、国外の場合、今後市場拡大が見込める地域はどこかというのは経営者としてはチェック項目であると言えます。
当然、海外を意識するのであれば、商品(サービス)がローカライズが可能かも重要なポイントです。海外販売の場合には、地域や国により規模、規制等も異なるので十分な事前調査が必要です。問題点を早めに明確にしておくべきでしょう。
海外戦略には、人員の採用ですらも海外の人材を取り込む必要が出てきます。つまり最初から進出する国に詳しい外国人(現地人)を採用するのです。マネジメントチームが国際性を持つことになります。海外展開に適したチームになっていなければ、投資家もその事業計画にある海外市場の売上を信用することはありません。グローバル市場戦略には投資家を説得するために海外人材をチームに加えた具体策を提示しましょう。
また、国内外問わず、市場の成長性や市場規模はその根拠を明確に示すことが要求されます。ただ単に人口が増えるから成長するだろうというだけでは足りません。なぜそのマーケットで自社の商品(サービス)が選ばれるのか、といった国内市場でも議論したことと同じことを答えられなければなりません。
海外のデータであれば、JETROのホームページは参考になります。特に進出時のコストは日本人が進出すると思われる都市ごとにきれいにまとまっています。