事業計画書の記載のポイントとは次の通りです。
(1) つかみ
(2) 見込み客に語るが如く
(3) 競合優位性
(4) お金の流れ
(5) 顧客獲得までの導線
(6)プロトタイプの実証
(7)数字
(8)返済可能か
以下、具体的に見ていきましょう。
(1) つかみ
担当者に事業計画書を読んでもらえるかどうかは、つかみの部分で決まります。スローガンを掲げる場合は、それを掲げるに至ったきっかけや動機等を説明するとよいでしょう。その話を聞いた融資担当者の心が動かされる状態を作り出しましょう。まずは融資担当者の共感を得られるかどうか。いわゆるつかみの部分です。訴求力の高いメッセージを盛り込みましょう。
(2) 見込み客に語るが如く
これから始める商品やサービスを説明するページでは、融資担当者も商品やサービスをまだ知らない見込み客と同じ状態にありますから、その中身の提示について事業のイメージが湧くような工夫が必要になります。自社のファンになってもらう、場合によっては顧客になってもらえるようにわかりやすい説明を心がけましょう。
(3) 競合優位性
ここではこれから始める事業が競合他社と比較してどれだけ優れているかをアピールしましょう。競合がいないことを記載してビジネスチャンスがあると言っても説得力がありません。概ねあります。あなたが見落としているだけです。当然新規性が高い場合には同じことをやっている企業は多くありません。その場合でも顧客属性が近い、集客方法が似通っている、サービスの提供方法に類似性があるなどの観点から比較対象を見つけ出しましょう。
(4) お金の流れ
ビジネスモデルを説明するページでは、商流やお金の流れを記載します。ビジネス全体に関わる、人、モノ、お金、情報の流れを一目で分かるように心がけましょう。主要取引だけでかまいません。ごちゃごちゃ正確に書いても理解してもらえなければなりませんので。
(5) 顧客獲得までの導線
マーケティングプランにおいては、どのように自社製品やサービスを顧客に知ってもらって、興味を引き付け、商品やサービスを購入してもらうための手段を説明します。仮にネット集客のリスティング広告であれば、Yahoo!やグーグルを使うのではなくて、具体的なキーワード、想定アクセス数クリック率、クリック単価などを記載しておくとより信憑性が増します。それが広告宣伝費の計算に結び付きます。
(6) プロトタイプによる実証
プロトタイプを作るカネも調達したい、という場合には紙っぺらで説明しなけれななりませんが、その場合には、お客様の声もリスト化しておきましょう。こんなものがあったらどう思うか、というものでもよいと思います。できる限りプロトタイプは自己資金で何とかして、それを使ってもらった評判を記載する方がベターと言えます。
(7) 数字
事業計画書も数字があって初めて事業計画なのであって、数字がなければただの企画書にすぎません。商品平均単価×購買数等、積み上げ方式で収支表を組み立てましょう。年次だけでも良いですが、できる限り月次計画を用意すると良いでしょう。収支計画の他、融資金額を何に使うのか、そして、資金繰り表も添付すると直確度は上がるでしょう。
(8) 返済可能か
融資担当者が一番気にするのは、あなたに貸してきちんと帰ってくるかどうかです。収支表ではボトムの数字を見て、返済原資を見ます。借入金返済の項目は忘れないようにしましょう。