スタートアップ企業の資金調達において、ラウンド(シリーズ)Aとか言う言葉がありますが、これはアメリカのシリコンバレー発祥で、企業の成長段階に応じた投資ラウンドのことを示しています。通常以下の順番で資金調達を進めます。
投資ラウンド | 段階 | 投資額 |
シードマネー | プロトタイプ開発程度 | 数百万円 |
ラウンドA | 試作開発以降事業立ち上げまで | 数千万円 |
ラウンドB | 事業成長段階 | 数億円 |
ラウンドC | それ以降(IPOやM&Aを意識) | 数億円から十数億円以上 |
シードというのは種という意味で、起業前のラウンドです。会社設立してから間もなくも含みます。商品(サービス)のリリースに向けた準備段階で、研究開発費用や初期の人件費を資金使途とした調達になります。この時期ではエンジェルなどの個人投資家がメインの資金調達先と言えます。
プロトタイプを開発した後で、事業を立ち上げるあたり、顧客を獲得し始めの成長ステージをラウンドAと言います。この頃はまだ単月赤字で、いつ資金がなくなるか、次の資金調達がスムーズにできるか、といったアクロバティックな時期です。顧客を獲得して、小さな円が描けたところですから。小さな円とは、製品を開発して、顧客に売れて、資金を回収できた段階あるいは資金回収の見込みがある段階です。この小さな円を大きくするために、さらなる資金調達と優秀な人員を増強する時期です。この頃になってくるとスタートアップ時に積極的なベンチャー・キャピタルも資金調達先になります。
事業成長段階に入り、単月黒になってきたあたり、それでもまだ不安定で、累損は赤のステージをラウンドBと言います。この頃は開発が一段落していますから、仕入れ費用、あるいは製品の増産のための設備投資、事業拡大に伴う人員増強、本格的な広告宣伝費の投入のための資金調達が必要です。
そしてラウンドCはもはやIPOやM&Aが見えてきた段階です。事業規模にもよりますが十億円以上の調達も可能な段階と言えます。