友人(Friend)、家族(Family)、目暗銭(Foolish)の頭文字を取って3Fです。これは事業ではなく、あなた個人に投資しているおカネです。目暗銭だけは少し説明が必要かもしれません。これはお前がやるなら少しは出してやるというというものです。友人、家族、親戚、知人、これらのうちのどれかですね。
使い方を誤ると友人をなくしたり、家族を亡くしたりします。こちらでは気にしていないのに(本当は返してほしいのですが)、お金を貸して返ってこない人と音信不通はよくあります。自分と音信不通ということは自分の知り合いとも音信不通ということでして、しかも配偶者とは離婚がセットというのはよくある話です。
こういう人からお金を借りない方がいいというわけではないのですが、借りる際にも絶対返済することを条件にした方がいいということですね。自分の気持ちの中で。銀行から借りて返済する割には、こういう人への返済を後回しにするのは順番が間違っています。銀行には返済しなくても、催促はうるさいですが、とはいっても、所詮ビジネス関係が悪化したところでどうってことはない(もちろんブラックリストに載ってまともな先からはかりられなくなりますけれども)のですが、3Fから借りて返せなくなったら、社会復帰が困難、あるいは不可能になります。一番大切にしなければならない先ですね。だから音信不通にするしかなってしまうのですよ。別に事業に失敗居たからといって恥ずかしがることはありません。そんなことよりも再起してもらって、元気になって、お金を返せばいいだけじゃないですか。起業家はそれだけで貴重です。きっと起業家になろう、事業をやろうと思っただけでも才能です。才能があれば、いつかは稼げます。
さて、こんなことを言うために3Fを題材にしたわけではないのです。実は次に注意してもらいたい。3Fから資金調達をすると、次回の資金調達の時にエンジェルやベンチャー・キャピタルたちが敬遠する場合があります。それはエグジットを迎える段階になって、その3Fの誰かが反対して口をはさむ場合があるからです。そのような場合を想定して、事業計画書ができた時点で3Fから借りたお金は一定の利子をつけて返済する場合があります。それは投資というよりも単なる融資なんですが、予め返済することを契約書に明記した方が良いでしょう。企業が大きくなるためには、投資の専門家からの投資を得るべき必要があるからです。3Fクラスの人が出せるお金には金額的に限界がありますから。
少額のお金を大勢の人から集めることも注意が必要です。株主が多ければ多いほど事務負担も増えますし、調整も困難になるどころか、実は反社の人だったという笑えない話もあります。反社の人が入っていれば、順調に上場に向けて進んでいたとしても、上場審査の時に却下されます。今までの努力が水の泡になってしまいます。できる限りプロの投資家と付き合うようにしましょう。