ここではもう少し具体的に企業を取り巻く外部環境の検討を行ってみましょう。外部環境の検討の際には、競合他社の動向と市場の動向の視点から捉えます。そこでこれから参入する市場に対して自社の優位性を決定づける要因を探し出さなければならないということになります。
まず業界動向は以下の6つの項目で捉えていきましょう。
(1) 業界における経済動向
業界全体の景況を掴みます。市場規模、推移、輸出入、金融等の指数を把握することで、今後のマクロ的な動きを予測します。
(2) チャネル別販売シェア
販路となる取扱店の調査は担当者にヒアリングをしながら、予測しましょう。
(3) 自社・競合他社製品の普及率及び地域別普及状況
既存の競合他社の市場シェアがどうなっているのか、自社が食い込める余地があるか。それはどれくらいかを推測します。各社の販売状況やエリアごとの販売時期、アフターフォロー等も検討しましょう。
(4) 参入企業と収益性
自社にとっての競合はどこなのか、どうすれば競合他社との競争に勝てるかを検討しましょう。
(5) 各社の技術開発動向
現時点での技術開発課題やクリア可能な時期を検討しましょう。自社が先んじることができるか、各社の技術を凌駕でき、より良いものを開発できるかも調査しましょう。出願中の特許ではわかりませんが、成立後の特許であれば閲覧可能ですから、現状の技術開発状況を推測できると思います。
(6) 各社製品の価格動向
各社の製品の価格動向を見ましょう。他社より高い価格でしか提示できない場合には付加価値がなければ顧客から選んでもらえません。だからと言って他社と比較して安くすればよいというわけでもありません。価格が安ければ消費者に対する訴求力があることは確かですが、自社の財務体力と照らし合わせてよく考えましょう。