起業家が事業計画書を作成して判断することは、事業で採算が取れることでしょう。もっとも起業家は資金調達の必要があるときにしか、事業計画書は作らない人も多いと思いますけれども、そのときだって、投資家用に採算のある事業計画書を作りますからね。
初年度から黒字予想もいいのですが、楽観的な計画は禁物です。売り上げ予想は、これくらい上げたいなというものではなく、商品であれば、この商品は月平均で何個売れて、その平均単価はこの位といった数字が必要です。そうしないといくらで何個売ればいいかがわかりません。計画とは立てればいいものではありません。実現できなければ意味がありません。そのため融資をするなり投資をする金融機関は、合理的に実現可能な計画であることを要求します。また平均単価や個数だけではなく、どのように売るかといった営業戦略も必要です。どこかの販売代理店を利用するのであれば、代理店手数料を差し引いた計算をしなければなりません。案外かかる費用が抜けていて、ウハウハビジネスと勘違いすることも少なくありません。
当然売り上げだけではなくて、この売上を上げるためにどんな費用が必要かも重要です。投資費用としては、設備投資、備品什器、機材購入費用など。費用であれば、売上原価、人件費(給料の他社会保険含む)、広告宣伝費、営業経費、減価償却費等があるでしょう。
なるべく早いうちに黒字が出るに越したことはないですが、資金繰り表と照らし合わせて、初年度は赤字でも、融資や投資によってキャッシュ残高が確保できていれば問題はありません。
事業計画を5年くらいで考えれば、2期までは赤字で3期目から黒字が出ればよいのです。赤字が出ることを想定する場合には、せめて売上総利益の20~30%にとどめておきましょう。採算計画を立てるためには、環境変化の予測も大切になりますが、バブル期では楽観的な予測を立てることが多かったようです。景気の悪いときには不思議と悲観的な予測の方が多いですね。
景気が悪いとみんなの気分が冷え込んで、飛躍しようという気にならないのでしょう。景気がよければいざというときは会社員に戻れるチャンスもありますから、冒険してみようという気になるかもしれません。