既存企業の事業計画書と新規企業の事業計画書ではその方向性と考え方が多少異なってきます。既存企業の事業計画書は4つの分野への展開が考えられます。
現市場 | 新市場 | |
現技術 | A:現市場展開
(現市場を拡大) |
C:新市場展開
(新流通チャネルや新販売経路の探索) |
新技術 | B:新技術展開
(新商品・改良商品) |
D:新技術・新市場展開
(異業種探索) |
A:現市場・現技術での事業展開。現事業をさらに拡大展開する考え方。マーケットが拡大する傾向にあるか、競合他社と比較して競争優位な状況にあれば一番有利な売り上げ拡大方法です。
B:現市場・新技術での事業展開。新しい技術を導入することで、付加価値を高められるか、あるいはコストダウンできるか、部分改良を行います。既に顧客を掴んでいる市場で展開するためリスクは低いものとなっています。
C:新市場・現技術での事業展開。現技術を基盤として、新市場へ多角化展開します。市場が成熟すれば、市場規模は拡大せず、自社の市場シェアが落ちていく可能性が高まります。そこで、新しい市場を開拓するのですが、販促費や営業経費がかさばり、多少リスクが大きい戦略です。。
D:新市場・新技術での事業展開。新技術を用いて、新市場へ展開するため最もリスクが高いものです。そのため、失敗しても良いように、余力があるうちに進出すべきです。
所謂ベンチャー企業は、自社にとっては新技術で新市場へ進出するわけですが、上記マトリクスが全く参考にならないわけではありません。例えば、Aは既存市場に既存技術で立ち向かますが、多少訴求ポイントを変える方法。Bは既存市場に新技術で立ち向かます。これがベンチャー企業の最もベーシックな方法だと思われます。Cは既存技術なのですが、既存企業が気づいていない市場へいち早く進出するパターン、そしてDは新市場で新技術ということで、ベンチャー企業にとっては、シーズ型の戦略と言えるでしょう。