事業計画書はぶっとくてもかまいません。プレゼンテーション用の事業計画書は数十ページにとどめます。そして自分の口の中の事業計画書は30秒の分量で。それがエレベータートークです。
エレベータートークとは、同じエレベーターに乗り合わせた際に話せる程度のごく短い時間の中で自分の言いたいことを相手にわかりやすく簡潔に伝える会話術のことを意味しています。忙しい人はあまり時間がありません。そこでエレベーターで移動中に上に上がるまでか、下に降りるその空間と限られた時間の中で、クロージングまでもっていかなければならないという、アメリカ・シリコンバレー発祥のビジネス文化と言えます。エレベーターピッチともいいます(ピッチとは売り込むということ)。
そうは言っても、本当に数十秒から1分(あるいは2分)以内で伝えたいことを全て伝えて、投資までもっていくのは至難の業です。そのため、短い会話の中ですべてを語ろうとはせずに、相手へのインパクトや興味を喚起することに集中し、別の機会を設けてもらって、もっと詳しく話を聞きたいと相手に思わせて、次のチャンスにつなぐことがエレベータートークの本当の目的と言えます。
そのため、結論から先に述べることが重要で、そこに至った理由を語っていけばよいのです。聞き手厭っては話の結論だけが重要で、過程なんて二の次のなのです。そして忘れてはならないのは「相手のメリットを明確にすること」です。自分がやりたいことなんて、相手は聞きたくもありません。そんなポエムなんて、自分のブログで勝手に上げて自己満足してろです。さて、以下、エレベータートークの構成要素を見てみましょう。30秒バージョンと2分バージョンになります。
(a) 自己紹介(30秒、2分)
あなたがどこの誰なのか、自己紹介はしましょう。但し、どうせ無名の会社ですから、自分たちは何をしてくれる人かの方が重要です。
(b) 投資家にとってのメリット、ベネフィット(30秒、2分)
どれだけ儲かるかをアピールしましょう。数千億の市場規模があり、数年で何百億円の売上を狙っていきます。
(c)どれくらいの引き合い(Traction)があるかを説明(30秒、2分)
(d) 課題(30秒、2分)
社会の課題、その課題をどのように解決するか
(e) 当社の独自性(2分)
自分たちの特色や強みがあるのかを示しましょう。
(f) ビジネスモデル(2分)
(g) チーム(2分)
30秒だとおのずから限界がありますが、2分と記載しているところでも話せるのであれば話した方がいいと思います。
エレベータートークだからといって、エレベーターの中だけしか使ってはいけないわけではなく、投資家に対する説明会の後で、以上まとめますと、というところで話しても良いと思います。